若手のための研究補助ツール紹介
プログラミング言語
宇宙物理学の研究においてプログラミングは誰しもが手の内にしなければならない要素です。世の中には数多のプログラミング言語が存在しますが、それぞれに特徴があります。そのため、各言語の得意とする分野を把握しながら使用する必要があります。宇宙物理学の研究のアプローチは観測と理論に大別されます。本ページでは研究の性格ごとに以下の5言語を紹介します。
観測
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python、IDL、R
理論
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C++、Fortran
観測
Licensed by the Python Software Foundation
pythonはGuido van Rossumによって開発されたオープンソースのプログラミング言語です。文法が平易でかつ可読性が高いのが特徴です。そのため宇宙物理学分野以外の使用者数も大変に多い人気の言語です。
pythonの特徴は、モジュールの導入によって多種多様な種類の解析法・計算法が導入可能であるという点です。個々のモジュールについての紹介は、python module用のページが用意されているのでそちらをご覧になってください。
IDL
IDLはInteractive Data Languageの略称であり、Harris Geospatial Solutionsによって提供されている有料のソフトウエアです。
IDLは配列計算が容易で高速に行うことができるのが特徴です。一方で、for文の速度が遅いので注意が必要です。
天文分野においてよく使用されるファイル形式である.fitsファイルのうち、IDLでしか開くことができないタイプのものがあるのでそのような場合には使用しなければならない言語です。
IDLはデータ解析から結果のプロットまでを行うことができますが、プロットの機能については描画モジュールのページで詳細に説明します。
R言語はR Development Core Teamによって開発がされているオープンソースの言語です。
R言語の特徴は、データの統計解析に特化している点です。統計学者がパッケージの開発を進めているため、非常に特殊な統計処理にも対応することができます。
© 2016 The R Foundation
The Comprehensive R Archive Network (CRAN)を介してパッケージの導入が可能です。以下に代表的なパッケージを紹介します。
R言語におけるデータフレーム操作を行う。
データ可視化用パッケージ。R言語には予めplot関数が用意されていますがより見た目のよいプロットを行うことが可能になります。
具体的な統計処理用パッケージとしてStanを紹介します。ベイズ統計用のパッケージで、Markov chain Monte Carlo (MCMC)法を実行することがでるようになります。
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dplyr:
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ggplot2:
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Stan:
理論
Fortran
Fortranは1954年に考案された世界最初の高級言語です。
科学技術計算用の言語として発展したため、そのためのライブラリが豊富なのが特徴です。